いまや大阪名物ともいわれるようになった、自由軒の名物カレー。では、他のカレーとは一体どのように違うのでしょうか?
こちらでは、名物カレーの秘密に迫ります!
現在、カレーのトッピングといえば、真っ先に生玉子が挙げられることでしょう。実はこの「カレーに生玉子を乗せる」という方法は、自由軒が最初に行ったのです。
お客様に本当に美味しいものを食べていただきたいと思った創業者の吉田四一は、当時はまだ高級品だった玉子をカレーに乗せることを思いつきました。生玉子を乗せることによって、熱くて辛いカレーにマイルドさが加わる、さらに栄養素も高まるとあって当時のお客様から大好評だったといいます。それが大阪を中心に関西中に広まることになったのです。
現在も自由軒では名物カレーを始め、別カレーやハイシライスには玉子を乗せてお出ししています。ぜひともこの味わいをご堪能ください。
名物カレーの調理方法やレシピは、創業当時から変わることなく、代々受け継がれています。そんな相伝の味の秘密を少し・・・。実は名物カレーには、「うすくち」と呼ばれるダシ汁が使われています。「カレーにダシ汁?」と聞くと頭をひねられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、このダシ汁を使うことによって、あの独特の味わいを作り出すことができるのです。このダシ汁のレシピは門外不出で、代々親から子へと引き継がれています。どうぞ、歴史に培われたこの味をお確かめください。
名物カレーに使われる具はタマネギと牛肉のみ。ご家庭で食べられるカレーと違って具が少ないと思われませんか?実はこれも名物カレーならでは。カレーに多くの具を入れることによって、カレーそのものが持つ風味や味わいが失われてしまう、そのためにあえて、具を入れていないのです。
現在、シーフードやチキンといった様々な具を使ったカレーが喜ばれていますが、時には名物カレーのようなカレー本来が持つ風味を味わってみてはいかがでしょうか。
「カレーには何をかけて食べる?」と聞かれれば多くの方が「ソース」と答えられるのではないでしょうか。カレーにソース、カレーを食べる際の、最も定番な食べ方です。実はこれも自由軒が明治の創業以来行っていることなのです。当時、ソースも高級な調味料でした。しかし、創業者の吉田四一の考案によって、ソースが置かれるようになりました。文明の発達し始めた明治後期といっても、ソースはやはり貴重品、多くの方は自由軒で初めてソースを口にしたそうです。
辛いカレーの味とソースが織りなす味わいは、当時のお客様から人気を集めました。
現在も、自由軒のテーブルには必ずソースが置かれています。自由軒で名物カレーを食べられる際は、どうぞソースをかけて味わってみてください。カレーの風味が広がるだけでなく、歴史の味も味わえるはずです。